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切替契約と過払金返還請求権

取引の個数と過払金

取引の個数に関する最高裁判決と過払金

無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引が続けられた後、他の複数の消費者金融業者に対する借入れを一括して返済するため、改めて不動産に担保権を設定した上で確定金額に係る金銭消費貸借契約が締結された場合の切替(貸増)契約に関して最高裁平成24年9月11日第三小法廷判決は、「ア 同一の貸主と借主との間で継続的に貸付けとその弁済が繰り返されることを予定した基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引に係る債務の各弁済金のうち制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが、その後に改めて金銭消費貸借に係る基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引に係る債務が発生した場合には、第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り、第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は、第2の基本契約に基づく取引に係る債務には充当されず(最高裁平成18年(受)第1187号同19年2月13日第三小法廷判決・民集61巻1号182頁,最高裁平成18年(受)第1887号同19年6月7日第一小法廷判決・民集61巻4号1537頁,最高裁平成18年(受)第2268号同20年1月18日第二小法廷判決・民集62巻1号28頁参照)、第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず、第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができるときにおいては、上記の充当に関する合意が存在すると解するのが相当である(上記第二小法廷判決)。

イ 以上のことは、同一の貸主と借主との間で無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引が続けられた後、改めて不動産に担保権を設定した上で確定金額に係る金銭消費貸借契約が締結された場合であっても、異なるものではない。

一般的には、無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約(以下「第1の契約」という。)は、融資限度額の範囲内で継続的に金銭の貸付けとその弁済が繰り返されることが予定されているのに対し、不動産に担保権を設定した上で締結される確定金額に係る金銭消費貸借契約(以下「第2の契約」という。)は、当該確定金額を貸し付け、これに対応して約定の返済日に約定の金額を分割弁済するものであるなど、第1の契約と第2の契約とは、弁済の在り方を含む契約形態や契約条件において大きく異なっている。したがって、上記イの場合において、第2の契約に基づく借入金の一部が第1の契約に基づく約定残債務の弁済に充てられ、借主にはその残額のみが現実に交付されたこと、第1の契約に基づく取引は長期にわたって継続しており、第2の契約が締結された時点では当事者間に他に債務を生じさせる契約がないことなどの事情が認められるときであっても、第1の契約に基づく取引が解消され第2の契約が締結されるに至る経緯、その後の取引の実情等の事情に照らし、当事者が第1の契約及び第2の契約に基づく各取引が事実上1個の連続した貸付取引であることを前提に取引をしていると認められる特段の事情がない限り、第1の契約に基づく取引と第2の契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価して、第1の契約に基づく取引により発生した過払金を第2の契約に基づく借入金債務に充当する旨の合意が存在すると解することは相当でない。

これを本件についてみると、前記事実関係によれば、被上告人とAとの間では本件第1契約が締結され、これに基づく取引が続けられた後、改めて本件第2契約が締結されたところ、本件第1契約は無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約であるのに対し、本件第2契約は不動産に根抵当権を設定した上で1回に確定金額を貸し付け毎月元利金の均等額を分割弁済するという約定の金銭消費貸借契約であるから、両契約は契約形態や契約条件において大きく異なり、本件第2契約の締結時後は、本件第2契約に基づく借入金債務の弁済のみが続けられている。そうすると、本件第2契約がAの担当者に勧められて締結されたものであり、これに基づく借入金の一部が本件第1契約に基づく約定残債務の弁済に充てられ、被上告人にはその残額のみが現実に交付されたこと、本件第1契約に基づく取引は長期にわたって継続しており、本件第2契約が締結された時点では当事者間に他に債務を生じさせる契約がなかったことなどという程度の事情しか認められず、それ以上に当事者が本件第1契約及び本件第2契約に基づく各取引が事実上1個の連続した貸付取引であることを前提に取引をしているとみるべき事情のうかがわれない本件においては、本件第1契約に基づく取引と本件第2契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することは困難である。」と判示した。

(2)上記最高裁判決は、「①同日の切替・貸増契約においても基本契約が時的に異なり複数の取引が存在する場合の平成20年1月18日最高裁判決の場面に該当すること。②同一の貸主と借主との間で無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引が続けられた後、改めて不動産に担保権を設定した上で確定金額に係る金銭消費貸借契約が締結された場合は、平成20年1月18日最判が列挙した6要素に当てはめた場合に両契約は契約形態や契約条件において大きく異なり、事実上1個の連続した貸付取引であると評価することは困難である。」と判示しているのである。

(3)なお、上記最高裁判決には田原睦夫裁判官の補足意見がある。

田原睦夫裁判官の補足意見は、次のとおりである。

「 無担保で融資限度額を定めたリボルビング方式による金銭消費貸借に係る基本契約(以下「リボ契約」という。)が締結された後に、担保権設定を伴う金銭消費貸借契約(以下「担保権付契約」という。)が締結された場合に、両契約に基づく各取引を事実上1個の連続した貸付取引と評価することができるか否かについて、下級審の裁判例が分かれているところから、両取引の関係の捉え方について、私の考えるところを以下に述べる。

1 当初のリボ契約の後に締結された担保権付契約が、同様にリボ契約である場合には、両契約間の基本的な相違は,担保権設定の有無の点だけであるから、両契約に基づく各取引を事実上1個の連続した貸付取引と評価することができるか否かは,法廷意見の引用する当審の判例に従って判断することに何ら問題はない。

2 問題となるのは、担保権付契約が、本件のように1回に確定金額を貸し付け、その返済方法は、約定の返済日に約定の金額を分割弁済する旨の契約である場合である。

かかる担保権付契約は、法廷意見が指摘するとおりリボ契約とは契約形態や契約条件が大きく異なるのであり、殊に契約により貸付けがなされた後に、継続的に新規の貸付けとその弁済が繰り返されることが予定されていないという点において、同契約関係をもって継続的取引とは解し得ないのであって、かかる取引とリボ契約に基づく継続的取引とを事実上1個の連続した貸付取引と評価することは相当でないというべきである。

3 もっとも、法廷意見にて指摘するとおり、従前のリボ契約が解消され、リボルビング方式によらない担保権付契約が締結された場合に、当該担保権付契約が締結されるに至る経緯やその契約内容、その後の取引の実情によっては両取引が事実上1個の連続した貸付取引と評価される場合があり得る。

例えば、担保権付契約による融資は確定金額による1回の融資ではあるが、一定額以上の元本の返済がなされれば、約定の返済日や返済金額に変更を加えることなく一定の限度額までの追加貸付けが予定されているような場合には、担保権付契約それ自体が継続的取引契約の要素を含んでいるところから、継続的取引契約たるリボ契約に係る取引と上記担保権付契約に係る取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できる余地がある。また、貸主の合併等の理由により、同一貸主との間に複数のリボ契約やその他の金銭消費貸借契約を締結している場合や、同一貸主に対して夫婦や親子等経済的に一体の関係にある者が複数のリボ契約やその他の金銭消費貸借契約を締結している場合に、専らそれらの取引を一本化する趣旨で本件と同様の担保権付契約が締結されるなど、同一貸主に対する従来の自らの債務又は経済的に一体の関係にある者の債務を返済するために同契約を締結したと評価されるときには、従前のリボ契約に係る取引と上記担保権付契約に係る取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できる余地がある。

4 ところで,本件では担保権付契約によってなされた融資金額600万円のうち上告人に返済された金額は86万3123円で、融資総額の14.4%にすぎない。記録によれば,被上告人が本件担保権付契約を締結したのは、他の複数の消費者金融業者に対する借入れを一括して返済するためであることが窺えるが、被上告人がその当時負担していた他の金融業者の社名の一部は記録上明らかであるもののその全貌は明らかではなく、また、その借入金残高は記録上詳らかではない。しかし、記録からは、他の金融業者への返済以外の使途は窺えないのであって、上告人に返済した以外の残余の大部分は他の金融業者からの借入金債務の返済に充てられたものと推察される。そうすると、本件では、その借入金は、3で述べたような上告人からの複数の借入金債務を一本化するためになされたものではなく、主として他の金融業者からの借入金債務を返済して、借入金債務を上告人に一本化するためになされたことが窺えるのであって、その点からしても、両取引をもって事実上1個の連続した貸付取引と評価することは相当でないものというべきである。

なお,被上告人が借入金債務を返済した他の金融業者についても、何れも相当額の過払金が生じていたものと推認され、その合計額は、本件担保権付契約による借入金中、上告人に対する返済額の割合からして、上告人につき生じていた過払金の額の数倍になるのではないかと推察される。それらの金融業者は、上告人の貸付金によって利息制限法を超過する利息相当額も含めて全額の返済を受け、かつ、時効によりその過払金相当額の返済を求められる可能性がないのに対して、他の金融業者への返済資金を融資した上告人のみが、原判決のように本件担保権付契約による融資以前のリボ契約に係る取引と上記融資に係る取引とを事実上1個の連続した貸付取引と評価して、他の金融業者が時効により免責されている過払金部分について責任を負うべきであるとすることは、衡平の点からも問題が残るといわざるを得ない。」としている。

(4)上記の田原睦夫裁判官の補足意見は、「第1契約は無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約であり、第2契約は不動産に根抵当権を設定した上で1回に確定金額を貸し付け毎月元利金の均等額を分割弁済するという約定の金銭消費貸借契約である場合であっても、貸主の合併等の理由により、同一貸主との間に複数のリボ契約やその他の金銭消費貸借契約を締結している場合に、専らそれらの取引を一本化する趣旨で、同一貸主に対する従来の自らの債務を返済するために切替(貸増)契約を締結したと評価されるときには、従前のリボ契約に係る取引と上記担保権付契約に係る取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できる余地がある。」とする。

すなわち、第1取引と第2取引の契約形態や契約条件が大きく異なっていても、貸主の合併等の理由により、同一貸主との間に複数のリボ契約を締結している場合に、専らそれらの取引を一本化する趣旨で、同一貸主に対する従来の自らの債務を返済するために同契約を締結したと評価されるときには、従前の各リボ契約に係る取引と上記担保権付契約に係る取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できる余地があるとするものである。

ましてや、第1契約も無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約であり、第2契約も無担保のリボルビング方式の金銭消費貸借に係る基本契約であり、両取引の契約形態や契約条件は全く同一でり、貸主の合併により同一貸主との間に複数のリボ契約が締結されている場合に、専らそれらの取引を一本化する趣旨で、同一貸主に対する従来の原告の債務を返済するために「切替契約」が締結されたのであれば、第1取引と第2取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できるのは当然のことと言わざるを得ない。

 

良くある落とし穴

上記のような場合に貸金業者が開示してくる「取引履歴」に記載された契約番号は、取引毎に別の契約番号が記載されていて、一つの取引履歴によれば、最終取引から既に10年以上が経過している場合には、この取引履歴に記載された取引に付いては消滅時効が完成しているものと勘違いをして、過払金返還請求を諦めてしまうケースがままあります。
しかし、上記判例が示すように、貸主の合併などにより複数の債務を負担することとなった場合に、専らそれらの取引を一本化する趣旨で、同一貸主に対する従来の原告の債務を返済するために「切替契約」が締結されたのであれば、第1取引と第2取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できるため、時効消滅したと勘違いをした取引も一連取引と評価され、過払金返還請求が認められることもあります。

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